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​皆さんへのメッセージ

公的な学校に通っていないことが将来的なハンデになるか?

 フリースクールへの入学を検討中、若しくは既に通っている子供さんと親御さんに、必ず考えて欲しいのがこのテーマです。

 これが子供さんの成長・教育とフリースクールの関係性を考えるうえでの本質中の本質といえるでしょう。

 結論、ハンデになることもあるし、ハンデにしない方法もあると考えます。

 ではどういった場合にハンデが生じるのか?
 これは、世間の言説やフリースクールの運営者をあてにして親御さんがフリースクールに教育を、子供さんに成長を丸投げしてしまうことによって生じる副産物だと思います。

 例えば、『これからは多様性が大切よね』とか『公的な学校に通っていない人でも成功した人はいる』
といった言説。これらは親御さんや子供さんにとって安心材料になる場合もあれば逆になる場合もあるので注意が必要です。
 この点についてよくご理解いただくため、次の1、2で記述します。

 ハンデにしない方法は、3で記述しますので、最後までお読みいただければと思います。

1.『多様性』という言葉に潜む欺瞞

 不登校問題を扱ったニュース記事やそれに対する閲覧者のコメントに頻出する『多様性』という言葉。

私が相談を受けている中でも、『多様性の時代なのだから様々な選択肢があっていい』と考えている親御さんが実際多いです。
 時には子供をフリースクールに通わせることで義務教育を受けさせる親の義務を果たした気になったり、
子供への罪悪感を軽くする、免罪符的に使われている感じることもあります。

 しかし、ちょっと考えてみてください。

 公的な学校に通っていなかった人を社会が会社が大人達が本当の意味で理解してくれますか?

 例えば、

 企業が社員を選考する際に、公的な学校に通っていた人と通っていなかった人を同じ価値があるとして評価してくれるでしょうか?結婚の際も同じことが言えるかもしれません。

 これはあくまで私見ですが、

口では『多様性』が大切だからと言っても、いざ選考する立場に立てば、公的な学校に通っていた人から選考するでしょうし、いざ結婚相手を選ぶとなったら公的な学校に通っていた人を選ぶことの方が多いと思います。

 『多様性』という言葉は、実現したい社会の方向性を示すものであり、あくまでも『偏見がないように心がけようね』という言葉に過ぎないのです。場合によっては綺麗ごとかもしれません。

 社員選考や、結婚相手を選ぶような、自分達の利害に関わる重要な場面では普通、『心がけ』よりも『現実』を優先して決めているということです。

つまり、キャリアだけで比較された場合に、公的な学校に通っていなかった人は、通っていた人よりも優先されにくいという一定のハンデを背負うことになってしてしまうのです。

また、高校への進学を考えた場合、試験以外に中学校の内申点が選考項目となりますが、出席扱いになるフリースクールに通っていても、学校での授業やテストを受けていなければ先生は評価することができず、内申点はゼロになってしまいます。そうなると通信制高校や定時制高校に進むしか選択肢がなくなる可能性が高くなります。全日制への進学が全てではありません。しかし何も高校進学の時点で選択肢を狭める必要は無いはずです。

このことは親御さんと子供さんに必ず知っておいて欲しいです。

※もちろん、ケースバイケースですし、その人の人格や能力や環境次第であることは
いうまでもありませんし、命の危険さえある子供にも公的学校への登校を勧めたいわけではありません。
ここは誤解なきようお願いします。

2.『学校に行かなくても成功できる』という言葉のいい加減さ

 メディアの情報でも、周囲を見渡しても、公的な学校に通っていないなかった人の中で社会的に成功したと見える方はいます。

 ただし、それだけを以ってフリースクールへの入学を判断するのは早計です。

 公的な学校に通っていた人とと通っていなかった人、それぞれの集団に何人いてそのうち何人成功したのでしょうか?

 今後、フリースクールにのみ通っていた人の平均生涯年収などの統計が出ればある程度その答えに近くかもしれませんが、成功の定義も曖昧、本当に成功者かどうかも分からない、その先どうなるか分からないわけですし、その人がどのような才能を持ち努力をしてきたか知らなければ意味がありません。

 ですので答えは『分からない』になるはずです。

 子供の将来のためではなく、生徒を集めるためだけに『こんな成功者がいます』と謳っているように見えるフリースクールもあります。

 フリースクールに通うことを検討している、または通っている子供さんや親御さんは精神的に辛い状況にいる方が少なくないと思います。

 そんな時に、成功している人がいるならうちの子供も活躍できるはず(または、活躍できるように育てる)。
という『希望』をもつことはとても大切です。

 しかし辛い状況であればあるほど、『帰属バイアス』が強く影響し、偏った情報を鵜呑みにしてでも自分の立場を補強し、他の意見や証拠を無視しやすくなることがあり、客観的判断や長期的な構想ができなくなるので注意が必要です。

※もちろん、ケースバイケースですし、その人の人格や能力や環境次第であることはいうまでもありませんし、命の危険さえある子供にも公的学校への登校を勧めたいわけではありません。
ここは誤解なきようお願いします。

3.学校に通わないことをハンデにしない方法

① まずは、出来るだけ早い段階で子供が進むべき『道筋』を決めることです。

 子供さんが今、命の危険さえある状況でしたらこの限りではありませんが、もし、将来のことを考えられる状況でしたら、これは将来重視で考えるべきだと思います。その際子供さんの意見も尊重するべきです。
 しかし、子供には親御さんほど将来が見えていない場合が多いので慎重に進めましょう。

 また、『道筋』といっても、職業を選ぶことではありません。

例えば以下のようなことです。

A.公的な学校に一日でも早く通えるようにする道

B.公的な学校で得られる以上の能力を身につける道

C.公的な学校で得られるのとは違う能力を身につける道

D.上記2つや3つを共立させる道

E.上記に当てはめない道

※A~Dを選んだ場合、子供にそれ相応の教育や訓練を受けさせる必要があります。
※Aは公的学校に通わないハンデを出来るだけ小さくするイメージです。
※B~Dは公的学校に通わないハンデを大きなプラス面で補うことで無効化するイメージです。
※Dの場合は、金銭的な余裕と本人の高いやる気が必要です。
※Eを選んだ場合、親御さんが将来に渡りA~D以上の援護をする必要があります。


② 次に、それ相応の教育を受けることができる場所を見つけましょう
 もちろん、塾、専門学校、家庭教師など、フリースクール以外の選択肢もアリですし、フリースクールといっても、通学型、オンライン型、ミックス型などその選択肢は無数にあります。
 子供さんの状態、性格、能力、趣向、意向などと、教育機関の費用面、有用性、利便性、信頼性などを加味して決めていきます。

③ 通学・利用している最中は、見守るだけでなく成長や能力の向上度合いを必ず確認しましょう。
 通わせる、利用させることで安心してはなりません。教育施設、指導者に丸投げでは全く成長していないことに気づかないかもしれません。気づいてから後悔することになります。
 Bの場合は、教科学習がメインになるので公的な学校に通っている生徒の点数との比較をしやすいですが、
 AやCの場合は、どこまで成長したり能力が上がればハンデにならない程度の成果が得られているといえるの 

か、比較しにくいこと自体ハンデといえるかもしれません。
 子供が教育や訓練を受けている分野の専門の方に客観的な意見をいただき進捗を確認していきましょう。

4.最後に、

 『公的な学校に通わないことがハンデになる』という言葉は残酷に聞こえるかもしれません。
 また、フリースクールを運営する当方にとってもマイナスかもしれません。

 しかし、それを親御さんが考慮せずに感情的な選択をして将来大変な思いをするのは子供さんですし、自治体や学校やフリースクールの運営側が親御さんや子供に、若しくは親御さんから子供に対してハンデのことを語らないのは無責任だと考えていますし、子供さんと親御さんの努力次第で必ず無効化できるハンデだということも強調したいです。

運営者について

『子供達の貴重な時間を大切にしたい』

我々大人達の時間も大切ですが、子供達の時間はもっともっと大切です。
人生80年。子供の20年間と大人になってからの60年が等価だとしたら3倍の価値があると考えることもできます。

もちろん、何もしていない時間も必要ですし、元気に生きてくれているだけでも十分だと考えることもできます。
それは親御さんは十分に理解されていることと思います。今が無ければ将来も無いのですから。

しかし、少しでも有意義な時間を過ごして欲しい。やれることから頑張って欲しい。
そう考え、悩むこともあるのではないでしょうか。とはいえ、学校にはなかなか足が進まない。
そういった子供達の時間を無駄にしないために当スクールでは、
通常の学校教育では受けられない、独自のカリキュラムで子供の成長をサポートしています。

子供さんと親御さんにとって最善の道を歩まれますことを心から祈っております。

秋山 大輔

じぶんの学校 代表

株式会社EDGE 代表

​上級心理カウンセラー、健康運動指導士

整体師、保健体育教員免許所持、空手道2段

運営者 秋山大輔
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